司法書士法人プレッジ

2021.10.8

法定相続分と遺産分割協議について

司法書士の久保です。

相続のご相談の際に、「相続分は決まってるんでしょ」という聞き方をされることがあります。

たしかに、法律で定められた「法定相続分」というものはありますが、必ずその割合にしなければならない、というものではありません。

今回は法定相続分と遺産分割協議について解説します。

 

民法が定める法定相続分

 

民法では、相続人が複数いる場合の相続分についてを規定しています。

相続人が子供と配偶者の場合には各2分の1です。

子供がいない場合には、相続人は親と配偶者になり、親が3分の1、配偶者が3分の2になります。

そして、親もいない場合には、兄弟と配偶者が相続人となり、兄弟が4分の1、配偶者は4分の3と規定されています。

そしてこの割合は強制されるものではなく、遺言書によって法定相続分と異なる割合を指定しておくこともできますし、相続開始後に相続人全員の協議で変更することも可能です。

 

自由に割合を変更する遺産分割協議

 

相続が発生した場合には、法定相続分が一つの目安になるかと思いますが、これと全くことなる割合に分割することも可能です。

配偶者が100%相続し、子供は0%とするといった協議も有効です。

法定相続分にとらわれる必要はありませんが、ただ分割の目安として考えられるケースが多いかと思います。

また、相続税が発生するような場合には、二次相続についても考慮したうえで相続割合を決定する必要があります。

相続税の対象となるような資産がある場合には、税理士などの専門家の意見も聞いたうえでの検討が必要です。

 

争族を未然に防ぐ「遺言書」の存在

 

遺産分割協議については、思いがけずに協議がまとまらず、難航してしまうケースも目にすることがあります。

例えば、遺産の割合の多寡についてだけでなく、相続した実家を処分するのか維持するのか、といったことも協議の内容になってくると、意外にそれぞれの思惑がかみ合わなくなるものです。

こうしたケースを避けるためには、事前に遺言書を残したうえで、資産の分割の方法や処分の意向などについても、明確にしておいてあげることが将来の争族を避ける手助けとなります。

 

一般の方にとって、相続手続きというものは、人生で一度か二度あるかないかのことだと思います。

よくわからないまま複雑な手続きに翻弄されて疲れてしまう、というお話も多く聞きますので、まずは一度専門家にご相談されてはいかがでしょうか。

今度どのように手続きを進めればよいのか、どのようにしたらスムーズに進められるのかなど、皆様のお手間を減らすお手伝いをさせていただきます。

ぜひプレッジまでご相談ください。