司法書士法人プレッジ

2021.09.17

【司法書士が解説】遺留分って何?(その2)

司法書士の岡部です。

遺留分って何?(その1)の続きです。

前回は概要を説明したので、今回は実際の計算方法などを説明します。

 

遺留分を有する相続人の範囲(遺留分権利者)

 

1.配偶者

2.直系卑属(子。先に亡くなった子がいるときは、孫)

3.2がいないときは父母

4.3もいないときは祖父母

上記2、3、4がいない場合には兄弟姉妹が相続人となりますが、遺留分はありません。

代襲相続で甥姪が相続人となる場合も同様です。

 

遺留分の計算方法

 

遺留分は、遺留分権利者全員分で計算します。

まず遺留分権利者全体の遺留分割合は、直系尊属(父母、祖父母)のみが法定相続人のときには3分の1、それ以外のときは2分の1となっています。

そして遺留分権利者が複数人いる場合には、各自の遺留分は、さらに法定相続分で按分した割合になります。

これをまとめると、以下のようになります。

 

<遺産が3000万、相続人が妻と子3人のとき>

妻の遺留分は3000万円×2分の1×2分の1=750万円

子ども達は3000万円×2分の1×2分の1×3分の1(子が3人のため)=250万円

もう少し正確・詳細に説明しますと、以下の計算式となります。

「A×B」=遺留分の額

「A×B−C+D」=遺留分侵害額として請求できる金額

A

遺留分算定の基礎となる財産額
=(被相続人が相続開始時に有していた財産の価額)+(生前贈与された財産の価額※)−(相続債務の額)
※生前贈与については、計算に含める範囲が法律で定められています

B

遺留分の割合
=1/2※×(法定相続割合:配偶者・子2分の1)
※直系尊属のみが相続人である場合は「1/3」

C

遺留分権利者の取得財産額(遺言・生前贈与等でもらった額)

D

相続債務のうち遺留分権利者が負担しなければならない額

 

最後に

 

以上のように、遺留分の計算は非常にややこしく煩雑です。

ここでは触れませんでしたが、遺留分計算において含める生前贈与なども法律で決まっています。

せっかく亡くなった方が残してくれた遺産です。

なるべくなら相続人間でのトラブルを未然に防ぎたいものです。

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